「Thổ cẩm kể(錦は語る)」展:少数民族の錦の文様
2021年5月にChieが開催した、少数民族の錦の文様のオンライン展示会。ひとつひとつの文様が、タイ族、ラオ族、モン族の物語を語ります。
- 日時
- 場所
- オンライン
- 形式
- オンライン
- 主催
- Chie Dù Pù Dù Pà 社会的企業
「Thổ cẩm kể(錦は語る)」は、Chie Dù Pù Dù Pàが2021年5月に開催した少数民族の錦の文様展です。丁寧に手で織られた豊かな文様の布を紹介し、文様の意味と、それが少数民族の日々の文化の中でどう生きているかを、来場者により深く知っていただくことを目指しました。
コロナ禍がまだ日常を揺るがしていたため、展示会は2021年5月23日~29日にオンラインで開催しました。ひとつひとつの文様を、村人同士が語り合うのと同じように、その背後にある物語とともに紹介しました。
タイ族の「短い尾の龍」の文様

子どものいない貧しい農家の夫婦が、小川のほとりで卵を見つけました。卵からは小さな龍が生まれ、夫婦はわが子のように愛しました。ある日、夫が誤って鍬で龍の尾を切ってしまいます。敵が攻めてきたとき、龍は両親に戦いに行かせてほしいと願い、決して自分の名を口にしないでと頼みました。しかし二人は恋しさのあまり名を呼んでしまい、敵に知られて龍は殺されてしまいました。それ以来、洪水の季節になるたびに、龍は親孝行のしるしとして両親のもとへ大きな魚の群れを送るといいます。
マイチャウのタイ族はこの物語を語り継ぎ、短い尾の龍を主に女性のスカートの腰帯に織り込みます。図案化された左右対称の龍は、親思いの龍の子を思い起こさせます。
ラオ族の「首の赤い龍」の文様

昔、両親を亡くした兄妹がいました。ある日、兄の妻が小川のほとりで大きな龍の卵を見つけ、アヒルの卵と一緒に茹でて、大きな卵を妹に食べるよう言いました。兄が懸命に働く姿を見ていた妹は、大きな卵を兄に譲りました。食べた後、兄はのどが渇いてどれだけ飲んでも足りません。小川へ下りた兄は戻ろうとせず、互いにわかるよう首に赤い糸を結んでほしいと妹に頼み、姿を消しました。祭りの日、妹がご飯と水を持って小川へ行き兄を呼ぶと、首に赤い糸を巻いた龍だけが現れ、それが兄だとわかりました。大人になり兄を恋しく思った妹は、首の赤い龍を織りました。
それ以来、ラオ族は兄妹の絆を忘れないために龍の文様を使っています。かつては黒地に白で織られていましたが、今では緑色や装飾の花や葉も加えるようになりました。
ラオ族の「トラに乗る人」の文様

トラに乗る人の文様は、スカートの裾やテーブルクロスによく見られ、2つの小さな物語と結びついています。ルオン氏族にとってトラは神聖な存在で「トラのおじいさん」と呼ばれます。死んだトラを見つけると白い布で覆い、親族と同じように弔います。トラの文様は、トラを傷つけてはならないことを皆に思い出させます。ほかの氏族も同様の文様を織り、ルオン氏族との婚姻にまつわるタブーを子どもたちに伝えています。
2つ目の物語は、薪を取りに森へ入り、疲れ果てて倒れ亡くなった貧しい母親の話です。継母にいじめられた息子は森をさまよい、一頭のトラに出会います。そのトラこそ、姿を変えた亡き母でした。トラの母は息子に食べ物や服を見つけてやり、息子は母に守られて幸せに暮らしました。
これらの物語から、Chieはラオ族にとって自然が日々の暮らしに織り込まれた身近な友であることを知りました。彼らは自然を愛し、敬い、調和して暮らしています。
モン族の太陽の文様

太陽の文様は、おぶい紐や子どもの帽子に刺繍されたり、蜜ろうで描かれたりします。モン族は、太陽が世界に光をもたらし、悪霊を追い払い平和な暮らしをもたらす大きな力の源だと信じています。

女性にとって太陽はさらに大切です。母親が子どもを背負うとき、前では母が赤ちゃんを守り、後ろではおぶい紐に刺繍された太陽が邪悪なものを遠ざけ、わが子を守ってくれるのです。
展示会のその他の布
来場者がさまざまな角度から文様を楽しめるよう、布は庭の木々の間に掛けられました。



展示会を終えて
来場者が直接布に触れ、物語を聞くことができなかったため、Chieは紹介した文様をまとめた展示会の動画を制作しました。展示会は2021年5月29日に終了しました。ご覧くださった皆さまに心から感謝するとともに、コロナ禍が過ぎたら、また一緒に集えることを願っています。
ベトナム語の原文から翻訳しました。



